年金者組合鎌倉支部では、偶数月15日の年金受給日には大船仲通商店街で、奇数月15日には鎌倉駅前で、年金裁判の支援訴えと署名活動を行っています。
24年度の年金は、名目賃金変動率3.1%より0.4ポイント低く抑えられた2.7%引き上げとなっています。これでは物価上昇率より低いので、実質的価値は目減りすることになります。これは「マクロ経済スライド」が適用されるためであり、これがあるかぎち、年金の実質削減が続きます。今、抗議の声を上げ、ご一緒に活動しましょう。
このマクロ経済スライドが発効されれば、現在年金を受給している私たちだけでなく、これから受給しようとしている現役世代にとって大変な問題です。また、若者の年金不信を強め、掛金をおさめない若者が増えて、結局、年金積立金がさらに不足していくという悪循環に陥ることは明らかです。
物価が上がって平均賃金がそれを下回った場合は年金改定は行いませんが、マクロ経済スライドでは、物価が上がったときにその分を引き下げる(キャリーオーバー)ことになっています。
その一方で、安倍内閣以来、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の管理する200兆円といわれる年金積立金を、外国のベンチャーなども含む株に回す枠が増やされ、株価を引き上げるために使われています。これは大企業と一部の外国の投資家を喜ばせるだけで、株価が下がった時に損失ででる危険な運用です。
2023年3月15日 鎌倉駅前
これらの安倍政権の年金制度改悪策は、消費税増税、医療・介護制度改悪、雇用制度の改悪と根はいっしょです。経済・株価優先、しかも働く人たちの賃金を抑え(上がったとしても増税で取り上げ)、大企業に利益をもたらそうというねらいから来ています。将来の年金制度の維持には、まず若者に仕事を与え、収入を安定さえ、安心して年金掛金を納付できるようにすべきです。
誰でも安心できる年金制度の根幹は、「最低保障年金制度」です。これはすでに諸外国でも実施されており、社会保障のなかで重要な位置づけになっています。年金制度への不安を払拭するのが最優先でなければなりません。また、財源が不足するなら、消費税増税によるのではなく、大企業への課税、累進課税の強化などでまかなうべきです。
政府や一部マスコミは、現役世代が高齢者の犠牲になっているとして、将来負担を軽減するために年金を削減する必要があると主張していますが、年金制度の将来を危うくしているのは少子高齢化だけでしょうか。現役世代の若者の生活を正規雇用で安定させ、安心して年金掛金を支払えるようにすることが第一です。
私たちは、裁判を通じて公的年金制度の正しいあり方を訴え、現在の受給者だけでなく、現役世代の若者も安心して老後を迎えることのできる年金制度を訴えていきたいと考えています。
みなさんのご支援をお願いします。